今年は、梅雨入りが早いと言われていますが、雨が続くと土砂災害などの心配があります。皆さん、森林のお手入れは大丈夫でしょうか?
先月、森林所有者様から申し込みのあった森林の資源調査を行いました。
今回は、林内の標準的な個所を調査プロットとして設定する方式(標準地調査法)です。
①調査する場所を決めていきます。
②中心木を選び、計測棒で範囲決め、その範囲内の立木を計測していきます。この計測棒を一周させると円ができますが、その面積がちょうど100平方メートルになるようになっています。
③木の直径・木の高さ・材ランク(木の曲がりや枝の太さで決まる)を計測します。
④事務所に帰って計測したデータから、手入れする範囲の木の本数や材積を計算します。
例えば、この調査を10回繰り返すと、1000平方メートルの森林を調査したことになり、そこから本数や、材積(木の根元から)を10倍することで、1ヘクタール(10000平方メートル)の山林に生えている木の本数や材積を推定するというのが標準地調査法になります。
⑤計測データを元に、見積書と施業提案書を提示 → 内容を説明し施業実施への承諾をお願い。→ 契約 → 施業施業実施の運びとなります。
自分が所有している森林はどのような状況か調査してみませんか?調査することで、山の手入れが必要かどうか、もしくは立木の売買が可能かどうかの判断ができます。森林の状態を確認する方法としては、所有者様に職員が同行、もしくは所有者様に代わり職員が現地にいって現況の確認を行います。また、簡単な方法として航空写真と地図を重ね合わせて、生えている樹種が確認できますし、森林組合では森林の手入れの履歴をデータベースにしているので、樹種・林齢やおおよその面積が確認できます。場合によっては、補助制度を活用したお手入れのご提案や立木のお見積をさせて頂くことも可能となります。
近年、毎年のように異常気象による豪雨や地震が原因で山地災害が発生しています。そのたびにメディアで映し出されるのは、森林の崩壊による土砂崩れや、氾濫した河川に流れ出した立木が民家に押し寄せるおぞましい映像です。これらの要因の一つには、森林の手入れ不足により荒廃してしまったため、地盤がもろくなってしまっていることが挙げられます。特に人の手で育てたスギやカラマツなどの人工林は適切に管理しないと荒廃してしまい、公益的機能が発揮されなくなります。森林は所有者様一人ひとりが現況を把握し、適切な管理をすることが大切です。