ヤマナラシの種まき

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木工団地内には、たくさんの種類の樹木や植物が植えられています。

「ヤマナラシ(山鳴らし)」という名前の樹木があります。

葉の柄の部分が長く葉は硬いため、風が吹けば葉同士が触れ合ってカサカサと鳴り響くことから、この名前が付いたそうです。

ヤマナラシの樹木は、遠野市の郷土芸能である「しし踊り」の獅子の装飾に施されている「カンナガラ」の原料です。

カンナガラとは、ヤマナラシの幹を鉋(カンナ)で薄く削って細長いリボン状にしたもののことを指します。

電気カンナでの加工にも挑戦しているそうですが、今のところすべて手作業で削っているのだと

板澤しし踊りの組合職員が、話をしてくれました。

*遠野の人は「ヤマナラシ」の事を「ドロノキ」と言っています。このブログでは標準和名である「ヤマナラシ」を使っています。

↑カンナガラ

↑しし踊りの獅子① 長野獅子踊り保存会より提供

↑しし踊りの獅子(後ろ姿)長野獅子踊り保存会より提供

ヤマナラシの木は、春になると、葉が開くよりも先に葉の付け根部分に穂状の花が咲いて、そこからたくさんの種子をつけます。

綿毛をつけて飛んでいくことで、生息分布を広げます。

↑ 種を飛ばした後のヤマナラシ 

ヤマナラシの苗木は市販されておらず、入手が難しいため、試験的に種子からの栽培に取り組むことにしました。

その第一歩として、森林組合の職員が採種した種子を使い、5月21日に種まきに挑戦しました。

ヤマナラシの種子は非常に細かく、しかも寿命が短いため、播種作業にはかなり気を遣いました。

風に舞うような綿毛に包まれた小さな種を、丁寧に蒔きました。

↑白く見えるのがヤマナラシの綿毛と種

そして3日後────

驚くことに、一斉に芽が出始めました!

可愛らしい双葉がいくつも顔を出し、発芽の様子に職員一同喜びました。これから大切に育てていきたいと思います。

↑種まき後10日後の様子

↑可愛らしい双葉

うまく育てることができれば、今後、緑化活動や郷土芸能(しし踊り)に関わる方々への苗木の提供など、地域に根ざした活用も期待できます。

これからも成長の様子をお伝えしていきますので、どうぞ見守ってください!